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勉強しなさいと言ってはいけない理由 [モチベーション]


過去にモチベーションについて書いたことがあります。
その際、「外発的動機付け」について説明させていただきました。
その説明が難しかったように思いましたので、例え話を使って再度説明させていただきます。

あるところに、あまり強いとは言えないボクシング選手がいました。
試合の勝率はこれまでのところ、6割といったところです。
ある日、怪しげな風貌の男が彼の前に現れました。
そして、不思議な薬を手渡してこう言います。
「これを飲めば、不思議なパワーが沸いてくるんだ。次のボクシングの試合で使ってみるといい。」
さらに男は続けます。
「ただし、一回一錠だ。期間は必ず空ける事。何日も連続して飲まないようにな。」
彼は半信半疑ながらも、男の言う事を信用し、試合直前にその薬を飲みました。
すると、どうでしょう。
自らの身体の奥底から何とも言えないモチベーションが沸いてきます。
はっきり言って試合で負ける気などしません。
観客の予想を裏切り、たった1RでKO勝ちを収めることが出来ました。
彼は狂喜し、その薬に感謝をします。
そして、次の試合の日。
やはり同じように薬を飲みました。
モチベーションが身体にみなぎります。
前回の相手と同じくらいの強さの相手ですが、今回も負ける気はしません。
試合の結果は3RでKO勝ち。
圧倒的勝利とはいかないまでも、問題のない勝ち方です。
そして、次の試合・・。
同様に、薬を飲んでのぞみましたが、今回は辛くも判定勝ちでした。
彼は何かがおかしいと気付きます。
その薬を飲んでも、初回の試合のようなモチベーションが沸いてこないのです。
飲まなければ、もっと悪い結果になったのはわかるのですが、初めて飲んだときの身体の底から沸き起こるようなモチベーションを今では感じることがありません。
次は大事な試合があるのに・・。
そう思った彼は、男の忠告を無視して、試合前に薬を2錠飲みました。
「!!!!!!!」
過去に感じたことのないような強烈なモチベーションが彼を包みます。
試合は圧倒的な勝利に終わりました。
「なんだ、驚かせやがって・・・。一度に何錠飲んだって問題ないじゃないか。」
そう思った彼は、次の試合、そのまた次の試合も・・・と薬の使用量を増やしていきました。
試合は勝ち続けましたが、1年後、とうとうその薬がなくなってしまいました。
彼は薬を持ってきた男を必死になって捜しますが、どこにも見当たりません。
「仕方がない・・薬なしで戦うか。」
そう観念した彼はあることに気付きます。
1年前、自分自身に確実に存在していたはずのモチベーションがどこからも沸いてこないのです。
・・・・

何が言いたいかわかりますか?
この薬の正体が、「外発的動機付け」です。
「外発的動機付け」とは、外から与えることの出来る動機付けのことを指します。
こう言うと、餌で釣るようなやり方ばかりをイメージする方がいるのですが、「外発的動機付け」とはそのようなやり方に限りません。
※餌で釣るようなやり方とは、例えば、成績UPしたらお小遣いUPのようなものです
「外発的動機付け」の最たるものは、親の「勉強しなさい」という言葉です。
このブログを書き始めた頃から、それはいけませんと申し上げてきましたが、「勉強しなさい」という言葉はいわば劇薬なのです。
最初は効果的かもしれませんが、次第に慣れてきて、最終的には親が発狂せんばかりに叱り付けても子供は全く動じないという結果を招きます。
こうした子供は「外発的動機付け」が習慣化されていますので、報酬を与えても反応がいまひとつですし、とにかく勉強に対するモチベーションが希薄です。
自発的に勉強をするようにさせるためには「内発的動機」、すなわち外からの刺激をきっかけとせず勉強できるように育てていくことが大切なのですが、それが出来ずに「外発的動機付け」という劇薬を親が多用してしまい、先のボクサーのようになってしまった子供がたくさんいます。

では、「内発的な動機」にはどのようなものがあるのでしょう?
「内発的な動機」を知るためには、人間としての根源的な欲求から考えます。
ここでは、心理学者のアルダファーという人が提唱したERG理論というものを当てはめて考えてみることにしましょう。
マズローの五段階欲求説を使わなかったのは、3つで覚えやすいからです。
(※マズロー氏の理論を発展・進化させたのがERG理論です)
アルダファー氏は人間の根源的な欲求を、
① EXISTENSE(存在)
② RELATEDNESS(関係性)
③ GROUTH(成長)
以上の3つの観点から説明しました。
奥の深い理論なのですが、ここではその詳細を省き、「勉強」面だけにアレンジして説明させていただきます。
①の「存在」とは、あらゆるタイプの物質的・生理的な欲求です。
食欲、物欲、金銭欲、性欲などあらゆるタイプの原始的な欲求を指します。
②の「関係性」とは、良好な人間関係に対する欲求です。
マズローの五段階欲求説で言うところの「承認欲求」、つまり「人から認められたい」という欲求もここに含まれます。
勉強面においては、表彰される、いい学校に入る、ほめられる等を指します。
③の「成長」は文字通り、自己の成長に対する欲求です。
自らの能力アップや成績の向上、成功体験などはここに含まれます。
これらの欲求を源泉として、人間は内発的に動機付けされるんですね。

さて、ここで「ちょっと待って!」という反論が聞こえてきそうです。
物欲や金銭欲に働きかけるのは、「外発的な動機付け」に当たるのではないかと・・・。
これは非常によくある勘違いなので、ここで触れておきます。
勘違いというか、これは次元の違う話なのです。
物欲や金銭欲に働きかける行為は「外発的な動機付け」に当たります。
それは、その通りです。
そればかりか「すごい、すごい」とおだてながら相手に何かをやらせるような行為も、「外発的な動機付け」に含まれます。
「外発的な動機付け」とは欲求の内容ではなく、相手に対して働きかける行為を指します。
人間の根源的な欲求そのものは、上の3つで説明が可能であり、自ら動機付けられれば、「内発的」、外から動機付けされればそれは「外発的」となるのです。
こういう風に考えるとわかりやすいのではないでしょうか?
結果を出すために使われるのが、「外発的な動機付け」。
結果を出した後に得られるのが、「内発的な動機づけ」。
①の存在の欲求に関して言えば、
結果を出すために使われるのが、「勉強しなさい」
結果を出した後に得られるのが、「存在への安心感
②の関係性の欲求に関して言えば、
結果を出すために使われるのが、「お世辞」
結果を出した後に得られるのが、「褒め言葉」といったところでしょうか?
「心の底から相手をほめる事」は内発的な動機に働きかけていますので、先の劇薬のように耐性が出来てしまうことはないのです。
ましてや、③「成長」という内発的な動機には限界がありません。
子供には成功体験を与えることが重要だと、過去何回も書いていますが、成功体験は人間の最も高次の欲求(③「成長」)を源泉とする強烈な「内発的な動機付け」なのです。
自らの努力の結果、上のような欲求が充足されると、人は内発的に動機付けされます。
つまり、「モチベーションが高いから何事かを成し遂げられる」のではなく、
「何事かを成し遂げられたからモチベーションが高くなる」のです。

最後に、もう一度言いましょう。
子供に「勉強しなさい」と言ってはいけないのです。

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